NBDCグループ共有データベースでは、ご提供いただいたデータを広くかつ有効に活用していただくことを推奨しているため、国内の研究機関におけるデータ利用のみならず、学術研究や公衆衛生の向上に資する民間企業や海外の機関における研究へのデータ利用も促進しております。
「個人情報の保護に関する法律」(平成15 年法律第57 号。)、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」(平成15 年法律第58 号。)及び「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」(平成15 年法律第59 号。)(以下「個人情報保護法」という。)が改正され、2017年5月30日に施行されました。本改正において新たに定義された個人識別符号に該当するゲノムデータを扱う際には、個人情報として取り扱う必要があります。また、個人識別符号に該当するゲノムデータに付随する診断名や検査値等は要配慮個人情報にあたりますので、情報の取得の際には原則同意が必要になります。詳細はFAQをご参照ください。
2024.4.1
Ver. 6.0
はじめに
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(以下、ROIS) データサイエンス共同利用基盤施設(以下、DS) ライフサイエンス統合データベースセンター(以下、DBCLS)では、ヒト由来試料からの研究データの共有を安全な環境の下で可能にする枠組み(以下、NBDCヒトデータベース)を構築し、運用することで、健康・医療への貢献を目指す。NBDCヒトデータベースでは、公開を大前提とした2段階のアクセスレベル(非制限公開および制限公開)でのデータ共有を推進するが、公開に先駆け、より早い段階からのプロジェクト内やグループ内の学術研究や公衆衛生の向上に資する研究における共有を可能にする枠組み(以下、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』)に取り組むこととし、その運用ルールとしての『NBDCヒトデータグループ共有ガイドライン』を策定した。
なお、本ガイドラインは、原則として、合理的な一定期間経過後にNBDCヒトデータベース等の公開系データベース(以下、公的データべース)からの公開が見込まれるデータに適用する。今後、生命科学データに関する世界的な動向や社会通念も変化していくことが考えられるので、これらに対応していくため、随時必要な修正を加えていくものとする。
<本ガイドラインに関する連絡先>
データ共有分科会事務局
humandbs@dbcls. jp
<『NBDCヒトデータグループ共有データベース』へのデータ提供やデータ利用等に関する連絡先>
ヒトデータ審査委員会事務局
humandbs@dbcls. jp
目次
- 運用原則
- 用語定義
- 受け入れるデータについて
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』へのデータの提供について
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』からのデータの利用について
- 本ガイドラインの改訂手続きについて
- その他
1.運用原則
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』は以下の原則に基づいて運用される。
- 原則1 公的資金により産生されたヒトに関するデータをなるべく広く収集すること
- 原則2 収集したデータをなるべく広く共有できるようにすること
- 原則3 研究対象者の権利を可能な限り尊重すること
- DBCLSは『NBDCヒトデータグループ共有データベース』の運用において以下の項目を実施する。
- ガイドラインの整備および必要に応じた見直し
- データ提供およびデータ利用申請についての審査
- ウェブサイトの整備等データへのアクセス手段の維持
2.用語定義
- ヒトに関するデータ
- ヒト由来試料を用いた研究等の成果として産生されたデータ。ゲノム等の遺伝情報や、臨床情報、画像情報等を含む。
- 公的資金
- 国、地方公共団体、独立行政法人またはこれらに準ずる組織から提供される資金。
- 研究対象者
- 研究や事業等の活動に自身由来の組織・血液・尿などの試料、もしくは、自身のデータを提供した者。
- データ提供者
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』へヒトに関するデータを提供する研究代表者。
- データ利用者
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』のヒトに関するデータを利用する研究代表者および研究代表者がデータ利用申請時に登録した研究代表者と同一機関に所属する研究分担者。
- 研究代表者
- 当該研究について責任を負う研究者(所属機関の倫理審査委員会へ研究内容を申請し、申請内容が承認された研究者、もしくは倫理審査申請書内に名前を連ねる研究分担者)。
- 受託者
- 情報の保管、統計処理その他の研究に関する業務の一部についてのみ、データ利用者からの委託を受けてその監督のもと従事する者。海外(日本国外)にある者に委託する場合、利用申請の際の研究代表者は、研究対象者等の適切な同意を受けるなど、倫理的手続きを実施しなければならない。
- 二次データ
- 一次データ(NBDCヒトデータグループ共有データベースを介して共有されるデータ)を復元することができないよう加工したデータ。
- 所属機関外利用可能サーバ(『機関外サーバ』)
- データ利用者が、所属機関が所有するサーバ以外に、NBDCヒトデータグループ共有データの保管や計算処理を行うことが可能なサーバであって、ヒトに関するデータを解析する環境が整っており、かつ、NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインの遵守を含む、運用に関する覚書をROISあるいはDSと締結した機関が所有する計算機環境であり、ハイレベル【TypeⅡ】セキュリティにおいて必要な対策が実施されているサーバ。 (『機関外サーバ』:https://humandbs.dbcls.jp/off-premise-server)
3.受け入れるデータについて
対象データの概要
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』は、原則として、合理的な一定期間経過後に公的データベースからの公開が見込まれるデータを受け入れる。
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』には、公的資金を用いたプロジェクト等で産生されたヒトに関するデータを広く受け入れる。
※助成機関やプロジェクト等により、遵守すべき方針が異なることがあるため、運用の詳細については助成機関やプロジェクト毎に別途協議することとし、その協議内容(データの提供および利用に係る助成機関やプロジェクト等に特化した方針)については別表(AGD別表)を参照のこと。
4.『NBDCヒトデータグループ共有データベース』へのデータの提供について
4-1.データ提供者の要件
- データ共有方針を提示する助成機関やプロジェクト等から研究資金提供を受け、当該方針を遵守した研究の遂行およびデータ共有を進めている研究者であること。
4-2~4-4についても、個別の当該データ共有方針で別途求められる権利・責務・手順等がある場合(※AGD別表を参照のこと)には遵守すること。
4-2.データ提供者の権利
- データ提供者は、インフォームドコンセントの説明文書の中で指定している制限項目(研究対象疾患の限定等)に準じて、データ利用時の制限事項を設定することができる。
- 最終的には、データ提供者は一定期間経過後に全てのデータを公的データベースから公開することを求められるが、特別な事情がある場合には、グループ共有期間の延長を要求することができる。ただし延長できる期間については、合理的に必要な期間に限定することとし、具体的にはヒトデータ審査委員会と別途協議し、決定する。
4-3.データ提供者の責務
- 論文投稿時には、データ提供者は論文内で使用した公開可能なデータを公的データベースから公開することとし、さらに、データ共有方針を提示する助成機関による助成の期間終了後3年以内、または、プロジェクト等の期間終了後3年以内の何れか早い時点までに全データを公的データベースから公開すること。
※NBDCヒトデータグループ共有データベースにおいて発行された番号を論文等に引用することはできません。 - 一定期間経過後に公的データベースにおいてデータを公開することから、特定できない第三者へのデータ提供を前提とするため、データ提供者は、ヒトに関するデータの由来となる研究対象者に下記<同意文書・説明文書の記載内容例について>の必須項目について説明したうえで、データベースへのデータ登録と国内外の研究者によるデータ共有についての同意を文書で取得し、かつ、当該データ登録とデータ共有について所属機関等の倫理審査委員会の審査・承認を得たうえで、所属機関の長の許可を得ること。ただし、研究全体の当初の倫理審査等においてデータベースへのデータ登録とデータ共有が許可されている場合には、改めて審査を実施する必要はない。
- データ提供者は、データベースへの登録をあらかじめ意図せずに得られた試料等(説明文書においてデータベースへのデータの登録やデータ共有が述べられていない場合等)から得られたヒトに関するデータをNBDCヒトデータグループ共有データベースに提供するときは、研究を実施する上で遵守すべき倫理指針に準じた手続きを行うこと(例:再同意の取得、再同意の取得が困難な場合は情報の公開および拒否の機会の保障を行った後、データ提供者の所属機関等の倫理審査委員会の審査・承認を得たうえで、所属機関の長の許可を得ること)。
- データ提供者は、明らかに『人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(新指針)』の対象にならないヒト由来試料※1からのデータをNBDCヒトデータグループ共有データベースへ提供する場合、研究代表者の署名済み『データ提供申請簡易審査希望届』(自由書式)を提出すること(例参照)。提出することで、所属機関等の倫理審査関係書類(研究計画書、インフォームドコンセントの説明文書・同意文書、承認通知書)に替えることができる。
- ※1:【新指針】既に学術的な価値が定まり、研究用として広く利用され、かつ、一般に入手可能な試料・情報
- ヒトデータ審査委員会では、提供申請時にインフォームドコンセントの説明文書・同意文書のフォームを提出いただき、制限事項の記載内容との整合性の確認を行なうが、インフォームドコンセントに沿った提供内容であるかということについての責任はデータ提供者にあるものとする。
- データ提供者は、NBDCヒトデータグループ共有データ提供申請書への記載内容に沿ったデータを提供すること。
- データ提供者は、NBDCヒトデータグループ共有データベースへのデータ提供に際して特定の個人(死者を含む。以下同じ)を識別することができることとなる記述等の全部又は一部を取り除き、代わりに当該個人とかかわりのない符号又は番号を付し、その後、さらに符号又は番号の振りなおしを施したデータであることを確認すること。また、同意撤回があった際に該当する研究対象者由来のデータを削除するため、原則、対応表は保管すること。
- データ提供者は、助成機関やプロジェクト等が示すデータ提供者が遵守すべきデータ共有方針に基づき、データと共に必要な付随データ(データの説明のためのメタデータおよびクオリティコントロールに必要な情報)をNBDCヒトデータグループ共有データベースに提供すること。なお、NBDCヒトデータグループ共有データについては、ヒトデータ審査委員会との協議に基づいて、セキュリティレベル(Type Ⅰ、Type Ⅱ)の分類も実施すること。
- データ提供者が登録したデータが、NBDCヒトデータグループ共有ガイドライン等に違反したデータであることが判明した場合、または、故意もしくは過失により瑕疵(隠れたる瑕疵を含む)のあるデータであることが判明した場合、DBCLSは当該データを公開停止とし、当該データを削除する。データ提供者は、必要な変更や手続き等を実施した上でデータの再登録を一定の期間内に行うこと。再登録が行われない場合は、当該データに対するNBDCヒトデータグループ共有データベースにおいて発行された番号を取消すこととする。
- データ提供者は、NBDCヒトデータグループ共有データベースへ提供したデータの由来となる研究対象者から同意撤回もしくはオプトアウトでの拒否があった際には、以降のデータ利用を避けるため、当該データの破棄に協力すること。
データ提供者が、NBDCヒトデータグループ共有ガイドライン等に違反してヒトに関するデータを提供した場合、または、データ提供にあたって故意により瑕疵のあるヒトに関するデータを提供した場合には、DBCLSは、当該データのデータ提供者の所属機関の長への当該事実の報告や、当該事実のウェブサイト等での公表を実施することがある。また、これらの事由により、1.運用原則に記載の『NBDCヒトデータグループ共有データベース』の運用を行えない等の損害を受けたとDBCLSが判断した場合には、DBCLSはデータ提供者に対して、その賠償を求めることがある。
<同意文書・説明文書の記載内容例について>
◆同意文書◆
- データベースへの研究データの登録及び国内外の多くの研究者間におけるデータの共有について
◆説明文書◆
-
データベースへの研究データの登録及び国内外の多くの研究者間における共有について
-
[具体的な記述例:本解析で得られたデータは、公衆衛生の向上に貢献する他の研究を行う上でも重要なデータとなるため、データを公的データベース(あるいは:情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)が運用するデータベース)に登録し、国内外の多くの研究者と共有します。]
-
-
外国にある第三者による利用について
-
[具体的な記述例:将来、どの国の研究者がデータを利用するか現時点ではわかりません。しかし、どの国の研究者に対しても、日本国内の法令や指針に沿って作成されたデータベースのガイドライン等に準じた利用が求められます。]
-
-
DBCLSについて
- [具体的な記述例:情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)は様々な研究成果を広く共有することを目的とした事業を実施しており、様々な研究成果によるデータを格納する公的なデータベースを運用することで、迅速な研究の推進を目指しています。DBCLSが運用するデータベースの1つであるNBDCヒトデータベースでは、個人情報の保護に配慮しつつヒトに関する様々なデータを広く共有し、本研究を含む貴重なデータを最大限に活用することで、医学研究等の迅速な発展を目指しています。そのため、国内の研究機関における研究利用に留まらず、学術研究や公衆衛生の向上に貢献する製薬等民間企業や海外の機関における研究へのデータ利用も促進しています。なお、NBDCヒトデータベースでは、日本の法令や指針に準拠した厳格なガイドラインに基づいてデータの管理・公開を行っています。詳しくは、DBCLSホームページ [https://dbcls.jp/]をご覧ください。]
-
データを共有することの必要性・重要性
- [具体的な記述例:研究結果がデータベースを介して研究者に利用されることによって研究全体が推進され、新規技術の開発が進むとともに、今まで不可能であった疾患の原因の解明や治療法・予防法の確立に貢献する可能性があります。]
-
公開されるデータについて
- [具体的な記述例:研究から得られたデータをデータベースから公開する際には、データの種類によってアクセスレベル(制限公開、非制限公開)が異なります。個人の特定につながらない、頻度情報・統計情報等は非制限公開データとして不特定多数の者に利用され、個人毎のゲノムデータ等は制限公開データとし、科学的観点と研究体制の妥当性に関する審査を経た上で、データの利用を承認された研究者に利用されます。]
-
撤回が不可能なデータについて
- [具体的な記述例:研究成果が論文や学会等で発表された場合は、同意を撤回されても論文や学会で発表された内容を取り下げることはできません。また、公的データベースから個人毎のデータが公開されている場合であっても、あなたのデータを特定できない場合は破棄できない可能性があります。]
4-4.提供の手順
- データ提供者は、「4-1.データ提供者の要件」および「4-3.データ提供者の責務」に示している責務を満たしていることを確認する。
- データ提供者は、グループ共有期間の設定などについて、助成機関やプロジェクト等が示すデータ提供者が遵守すべきデータ共有方針に基づきヒトデータ審査委員会事務局と調整等を行う。
- データ提供者は、データ提供申請の手順に沿ってデータ提供申請を行う。その際に、研究計画書(倫理審査申請書)写し、承認通知書写し及びインフォームドコンセントの同意文書・説明文書のフォームを添付すること。ただし、研究全体の当初の倫理審査等においてデータベースへのデータ登録とデータ共有が許可されている場合には、その旨を示す書類を承認通知書写しに代えることが出来る。
- ヒトデータ審査委員会は、データ受入れ可否について審査する。
- データ提供申請が承認された場合、データ提供者は提供するデータセットを作成する。
- データ提供者は、DBCLSが指示する方法に従って、データおよび必要な付随データを送付する。
- データのアップデートおよび分類見直し等のデータの変更については、データ提供者とヒトデータ審査委員会事務局との協議に基づき、必要に応じて実施する。
5.『NBDCヒトデータグループ共有データベース』からのデータの利用について
5-1.利用資格
- ① 関連研究に従事したことのある研究者(大学、公的研究機関、または民間企業等に所属しており、関連研究に関する研究歴のある人)。学術研究もしくは公衆衛生の向上に貢献する研究への利用に限る。申請の際に、利用を希望するデータと関係のある研究に関するこれまでの論文等を提示すること。
- ※1:個別の制限事項に加え、対象データを提供した者が遵守すべき、助成機関やプロジェクト等が提示するデータ共有方針も含む。
- 5-2~5-6についても、個別の当該データ共有方針で別途求められる権利・責務・手順等がある場合(※AGD別表を参照のこと)には遵守すること。
- 研究代表者として利用申請できるのは、データセット毎に付加された制限事項※1に示されるデータ利用者要件を満たす研究者とする。データ利用申請の際には所属機関が発行するメールアドレスを提示すること。
5-2.データ利用者の権利
- データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』のデータを利用した研究成果を、データ利用者の責務およびデータ毎に付加された制限事項を遵守する限り自由に発表できる。
- データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』のデータを利用した研究結果をもとにした知的財産権をデータ利用者の責務およびデータ毎に付加された制限事項を遵守する限り自由に取得できる。
- データ利用者は、所属組織LANに接続するデータサーバの他、『機関外サーバ』の指定領域に、データベースセンターからデータをダウンロードして保管・利用することができる。
5-3.データ利用者の責務
- データ利用者は、データ利用に際してのデータの品質・内容・科学的妥当性について、データ利用者の判断のもとで活用すること。
- データ利用者は、データ利用者の全責任(第三者に対する責任を含む)のもとでデータを使用すること(受託者の監督も含む)。なお、データの管理及び取扱いに問題が発生した際は、データ利用者だけではなく、所属機関長にもその責任が及ぶことを理解し了承すること。
- データ利用者は、NBDCヒトデータグループ共有データベースに登録されているNBDCヒトデータグループ共有データを利用する際には、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針を遵守しなければならない。すなわち、データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』から取得したデータを含む人を対象とする生命科学・医学系研究を実施する際は、あらかじめ研究計画書を作成し、所属機関等の倫理審査委員会の審査・承認、ならびに、所属機関の長の許可を受けなければならないことを含む。
- データ利用者は、NBDCヒトデータグループ共有データベースから取得したデータおよび当該データを加工したデータについて、下記の事項を遵守すること。
データの利用にあたって遵守すべき基本的事項
-
- データ利用者の限定(申請された研究代表者および研究代表者と同一機関に所属する研究分担者、および受託者に限る)
- 利用目的の明示
- 申請した利用目的以外への使用の禁止
- 研究・開発利用への限定
- 武器開発・軍事への利用禁止
- 個人同定の禁止
- 再配布の禁止(個人識別性・一次データ復元性のない、あるいは非常に低い加工データ※の配布は禁止の対象となる再配布にはあたらない。ただし、原則として別途、二次データ保管・加工データ配布申請が必要である)
※FAQを参照のこと
-
- データ利用者は、「NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドライン(データ利用者向け)」を遵守しデータを安全に取り扱うこと(受託者の施設での保管・利用も含む)。なお、データごとに守るべきセキュリティレベル*が異なるので留意すること。また、ヒトデータ審査委員会あるいはDBCLSから依頼された第三者が実施するセキュリティ対策の実施状況についての監査に応じなければならない。
*【セキュリティレベルについて】
原則として標準レベル[Type Ⅰ]のセキュリティが求められるが、データ提供者とヒトデータ審査委員会との協議に基づき、ハイレベル[Type Ⅱ]のセキュリティが求められる場合がある。[Type Ⅰ]、[Type Ⅱ]の詳細については「NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドライン(データ利用者向け)」を参照すること。
- データ利用者は、セキュリティレベル(Type Ⅰ、Type Ⅱ)に応じたセキュリティ管理体制を構築し、DBCLSが提示する基準に適合していることを確認するため、"NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインチェックリスト"をヒトデータ審査委員会事務局へ提出しなければならない。受託者がデータを利用する場合や、受託者の施設が保有するデータサーバにデータを保管する場合は、当該所の“NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインチェックリスト”もヒトデータ審査委員会事務局へ提出しなければならない。
- データ利用者は、データ利用に際して『機関外サーバ』を利用する場合、NBDCヒトデータグループ共有ガイドライン及びNBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインに加えて、各『機関外サーバ』のシステム利用規約に従うこと。
- データ利用者は、万が一、利用データの漏えい等セキュリティに関する事故が生じた場合は直ちにネットワークから対象機器を切り離し、DBCLSに通報すること。その後の事故処理については、DBCLSの指示に従い、速やかに実施すること(受託者の施設での事故も含む)。「機関外サーバ」利用の場合には、サーバの利用規程等に従って、直ちに対策を実施するものとする。
- データ利用者がNBDCヒトデータグループ共有データベースからダウンロードして利用中のデータセットの中に、同意撤回やオプトアウトにおける拒否等についての連絡があった場合は、それ以降当該データを利用しないこと。
- データ利用者は、データ利用終了時には『NBDCヒトデータグループ共有データベース』から取得したすべてのデータ(データ全体あるいはデータの一部が保管してあればそのデータすべて。機関外サーバを利用した場合は、機関外サーバ内に保管したデータならびに機関外サーバ側のバックアップデータを含むすべて。)及び当該データを復元可能なすべてのデータをNBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインに沿って削除し(機関外サーバ側のバックアップデータについては削除される時期を確認し)、"データ使用(および破棄)報告書(NBDCヒトデータグループ共有データ用)"を用いてデータ使用(および破棄)の報告を行うこと(受託者の施設での保管および利用も含む)。データを利用した集計・統計解析結果等の二次データの保管や、個人識別性・一次データ復元性のない、あるいは非常に低い加工データの配布については「5-4.利用の手順」を参照のこと。なお、二次データに個人識別符号に該当するデータを含む場合は個人情報として適切に管理するとともに、当該二次データの配布を禁止する。
- データ利用者がNBDCヒトデータグループ共有データベースを通じて提供されたデータを含む解析結果を論文等で公表する際はデータ提供者と協議し、必要に応じて別途公的データベースに登録して取得したアクセッション番号や論文の引用・謝辞の記載等を行うこと。
※NBDCヒトデータグループ共有データベースにおいて発行された番号を論文等に引用することはできません。 - データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』利用状況の公開にあたり、DBCLSが個別情報あるいは統計情報を公表することについて了承すること(公開される個別情報の例:利用データのDataset ID、データ利用者氏名、所属機関、国・州名、データ利用期間、研究題目)。
- データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』利用状況の公開に資するため、DBCLSおよび関係者が、データ利用者の申請時から利用終了報告時の情報、事故発生時の情報等データ利用に関する情報を保持していることを了承すること(受託者に関する情報も含む)。
データ利用者が、NBDCヒトデータグループ共有ガイドライン等に違反してヒトに関するデータを利用した場合、または、データ利用にあたって故意もしくは過失により情報漏洩等が起きた場合には、DBCLSは、データ利用の許可の取り消しや、データ利用者の所属機関の長への当該事実の報告や、当該事実のウェブサイト等での公表を実施することがある。また、これらの事由により、1.運用原則に記載の『NBDCヒトデータグループ共有データベース』の運用を行えない等の損害を受けたとDBCLSが判断した場合には、DBCLSはデータ利用者に対して、その損害の賠償を求めることがある。なお、以上の内容は研究代表者だけでなく研究分担者や受託者にも適用され、研究代表者は研究分担者や受託者が本ガイドラインおよび「NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドライン(データ利用者向け)」を遵守することに対して責任を持つものとする。
5-4.利用の手順
- データ利用者は、データ利用申請の手順に沿ってデータ利用申請を行う。この時、別組織に所属する複数の研究者が共同研究を行う場合は、それぞれの組織毎にデータ利用申請を行う。受託者がいる場合は、データ利用申請に含めること。
- データ利用者は、『NBDCヒトデータグループ共有データベース』利用に関連して、所属機関等の倫理審査委員会の審査・承認を得たうえで、所属機関の長が許可した通知書の写しをデータ利用申請の際に提出する。ただし、審査免除であることが倫理審査委員会で決定された場合は、その旨が記載された書面等を提出する。
- データ利用者は、利用申請に際して、"NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインチェックリスト"やその他ヒトデータ審査委員会が求める情報や資料を提出する。
- ヒトデータ審査委員会は、データ利用可否について審査する。
- ヒトデータ審査委員会によりデータ利用申請が認められた後に、データへのアクセス権限が付与されるので、データ利用者はデータにアクセスする。
- データ利用者は、1年毎にデータの利用状況をデータ利用報告申請にて報告する。また、その際に"NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインチェックリスト"を再度提出する。
- データ利用者は、個人識別性・一次データ復元性のない、あるいは非常に低い加工データの配布を希望する場合は、データ利用終了申請の中の加工データ配布申請(二次データ保管・加工データ配布申請)にて、ヒトデータ審査委員会事務局へ申請する。
- データ利用者は、当初のデータ利用期間を超えて当該データセットの利用を希望する場合は、データ利用期間満了の一か月前までに、データ提供者の許可を受けた上で、所属機関の倫理審査の承認通知書等(承認された研究期間がわかる書類)と共にデータ利用継続希望期間をヒトデータ審査委員会事務局に申請する。
- データ利用者は、データの利用が終了した場合、速やかにすべてのデータ(データ全体あるいはデータの一部が保管してあればそのデータすべて。機関外サーバを利用した場合は、機関外サーバ内に保管したデータならびに機関外サーバ側のバックアップデータを含むすべて。)及び当該データを復元可能なすべてのデータをNBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインに沿って削除し(機関外サーバ側のバックアップデータについては削除される時期を確認し)、データ利用終了申請の中の"データ使用(および破棄)報告書(NBDCヒトデータグループ共有データ用)"を用いて、ヒトデータ審査委員会事務局へデータ使用(および破棄)の報告を行う(受託者の施設での保管および利用も含む)。この時、データを利用することによって生じた集計・統計解析結果等の二次データの保管や、個人識別性・一次データ復元性のない、あるいは非常に低い加工データの配布についてはデータ利用終了申請の中の"二次データ保管・加工データ配布申請書(NBDCヒトデータグループ共有データ用)"にて、ヒトデータ審査委員会事務局へ保管・配布申請を行うことで保管・配布できる。ただし、加工の程度や保管期間によっては申請を却下することがある。
5-5.利用に関する費用
- データの利用に際して実費が発生する場合(データの転送にメディア等が必要となる場合や、『機関外サーバ』利用をする場合など)はデータ利用者の負担とする。
5-6.利用の停止
- データ利用者に「5-3.データ利用者の責務」の各事項に対する違反、またはセキュリティガイドラインに反することが疑われる場合、DBCLSが関係者から必要な情報提供を得た上で不正に関する調査を行ない、調査結果に基づいてNBDCヒトデータ審査委員会が不正の有無を判断する(受託者も含む)。不正と判断した場合は、
- データ利用者に対しデータの利用停止を命じ、利用中のデータへのアクセス許可を取消す。
- 不正を行なった研究者からの新規利用申請を一定期間受け付けない。期間についてはヒトデータ審査委員会において決定する。
- 必要に応じて所属機関長に報告する。
- データ利用者が利用中のデータがデータ提供者の責務違反により公開停止となった場合は、データ利用者にデータの利用停止を求めることがある。その際は、データ利用者に対しデータ利用終了時の手続きと同様の手続きを求める。データ提供者の責務違反により生じたあらゆる損害等については、理由の如何に関わらず、DBCLSは一切責任を負わないこととする。
6.本ガイドラインの改訂手続きについて
6-1.改訂内容の提案
- データ提供者、データ利用者あるいはデータの利用を検討している者は本ガイドラインを改訂することによって、ヒトに関するデータがより円滑に提供・利用できると考えられる点があれば、事務局へ提案することができる。その際、具体的な提案や該当箇所等を示すこと。
6-2.改訂内容の検討
- 上記の提案を受けた場合、速やかにその内容をデータ共有分科会で検討し、提案内容の採否あるいは修正について決定するものとする。
6-3.改訂内容の公表・適用
- 改訂内容が決定した場合、速やかにその改訂内容をウェブサイトにおいて告知し、データ共有分科会が定める一定の期間ののち適用する。なお、適用前にデータ提供あるいはデータ利用の申請を行って許可された者に対しても、改訂後のガイドラインが適用されるものとする。
7.その他
7-1.データ提供申請情報およびデータ利用申請情報の公開について
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』に対する個別の申請情報のうち、申請者の承諾が得られた情報は公開されるものとする。その他の情報に関しては、ヒトデータ審査委員会委員およびヒトデータ審査委員会事務局員はこれを関係者以外に公開してはならない。
7-2.不正確なデータ等の指摘について
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』における不正確なデータについてのデータ利用者からの指摘は、ヒトデータ審査委員会が受付けて、データ提供者に通知し、対応を協議するものとする。同意取得方法の不備や同意の捏造の可能性等に関する同意者等からの指摘についても同様とする。
連絡先:ヒトデータ審査委員会事務局
7-3.ねつ造や改ざん等による研究不正に関する調査について
- 『NBDCヒトデータグループ共有データベース』に格納されているデータについて、DBCLSに研究不正に関する調査への協力依頼があった際には、DBCLSは協力することがある。
- 不正調査委員会等の責任者は、検証を実施するために必要なデータのDataset IDと検証の必要性についてDBCLSへ申し出ると共に、データを保管するサーバのセキュリティ状況を"NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドラインチェックリスト"を用いて報告すること。
- 不正調査委員会等の責任者の全責任のもとでデータを使用すること。
- 不正調査委員会等の責任者は、「5-3.データ利用者の責務」 4.『データの利用にあたって遵守すべき基本的事項』を遵守すること。
参照
NBDCヒトデータグループ共有データ取扱いセキュリティガイドライン
以上