AGD Research ID: agd0021.v1
研究内容の概要
目的： 心房細動は有病率の高い不整脈疾患であり、心不全や脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす。疾患の発症には加齢や生活習慣病が関連しており、高齢化社会に伴いその有病率は急増している。心房細動に対する治療としてカテーテルアブレーションが積極的に行われているが、治療困難な症例や長期的な経過観察中に再発を認める症例も少なくない。その原因として心房筋の病理学的変性すなわち心房心筋症が考えられている。心房細動アブレーションを施行された患者を対象に心房筋の組織学的評価を行った研究から、線維化の進行、アミロイドの沈着、炎症系細胞の浸潤、といった病理学的特徴が明らかになった。本研究は、佐賀大学で心房細動アブレーションを施行された症例を対象に、次世代シークエンサーを用いて全ゲノムシークエンスを行い、心房心筋症発症の遺伝子構造を明らかにし、臨床情報と組織学的・電気生理学的所見との関連解析を明らかにすることを目的とする。
方法： 一般診療の際に採取した血液検体からゲノムDNAを抽出し、全ゲノムシークエンス解析を行った。
対象： 20歳以上で心房細動に対するカテーテルアブレーションの治療を受けるた315症例
URL： https://www.saga-cardiology.jp/arrhythmia/research/
| データID | 内容 | 制限 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| AGDS_000014 | NGS（WGS） | 制限共有（Type I） | 2023/01/18 |
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分子データ
| 対象 | 心房細動（ICD10：I48）：315症例 |
| 規模 | WGS |
| 対象領域（Target Captureの場合） | - |
| Platform | Illumina [NovaSeq 6000] |
| ライブラリソース | 末梢血から抽出したDNA |
| 検体情報（購入の場合） | - |
| ライブラリ作製方法（キット名） | TruSeq DNA PCR Free HT Kit |
| 断片化の方法 | 超音波断片化 |
| ライブラリ構築方法 | Paired-end |
| リード長（除：バーコード、アダプタ、プライマー、リンカー） | 150 bp |
| マッピング方法 | BWA-MEM |
| バリアントコーリング |
各サンプルにおけるバリアントcall rateの中央値: 95.8% 各バリアントにおけるサンプルcall rateの中央値: 100% バリアント数: 23,841,952（常染色体）、756,007（X染色体 non-PAR 男性）、560,670（X染色体non-PAR 女性）、51,090（X染色体PAR） |
| マッピングの際のリファレンス配列 | GRCh38 |
| 平均カバー率（Depth） | 30.9 |
| Amed Genome group sharing Database Dataset ID | AGDD_000018 |
| 総データ量 | 37.8 TB（fastq、bam、vcf） |
| コメント（利用にあたっての制限事項） | AGD policy |
提供者情報
研究代表者： 山口 尊則
所 属 機 関： 佐賀大学医学部循環器内科
プロジェクト/研究グループ名: HEAL-AF study
URL： https://www.saga-cardiology.jp/arrhythmia/research/
科研費/助成金（Research Project Number）：
| 科研費・助成金名 | タイトル | 研究課題番号 |
|---|---|---|
| 日本医療研究開発機構（AMED） ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム | 全ゲノム解析と組織オミックス解析による心房細動の病態解明と精密医療 | JP21tm0724601 |
| 科学研究費助成事業 基盤研究（C） | 心房細動症例における心房筋の組織学的評価 | 21k08056 |
| 日本医療研究開発機構（AMED） ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 | マルチオミックス連関による循環器疾患における次世代型精密医療の実現 | JP20km0405209 |
| 日本医療研究開発機構（AMED） 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業 | 心房細動・重篤合併症予防を実現する多層的・統合的エビデンス創出研究 | JP22ek0210164 |
関連論文
| タイトル | DOI | データID | |
|---|---|---|---|
| 1 | Atrial Structural Remodeling in Patients With Atrial Fibrillation Is a Diffuse Fibrotic Process: Evidence From High-Density Voltage Mapping and Atrial Biopsy | doi: 10.1161/JAHA.121.024521 | AGDD_000018 |
| 2 | Histological validation of atrial structural remodelling in patients with atrial fibrillation | doi: 10.1093/eurheartj/ehad396 | AGDD_000018 |
